天門(てんもん)ループ】 [編集]

【ヘブンズ・ゲート】系デッキの派生の一つ。S・トリガーをよりコンボパーツに特化させ、《音感の精霊龍 エメラルーダ》《奇跡の精霊ミルザム》で成立する【暴発ミルザム】の機構を利用して、山札圧縮を目的としたチェイン・コンボを繰り返し、最終的に無限ループ成立を目指すコンボデッキ
基本色は白青。場合によってはそこにタッチさせて組まれる。
研究が進んだことで、候補カードが多岐に渡る。自身のフィニッシュ方法に見合うカードの取捨選択が重要となる。

ヘブンズ・ゲート R 光文明 (6)
呪文
S・トリガー
進化クリーチャーではない光の「ブロッカー」を持つクリーチャーを2体まで、自分の手札からバトルゾーンに出す。
音感の精霊龍 エメラルーダ P(R) 光文明 (5)
クリーチャー:エンジェル・コマンド・ドラゴン 5500
ブロッカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のシールドをひとつ、手札に加えてもよい。その後、自分の手札を1枚、裏向きのまま、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに置いてもよい。(こうして自分の手札に加えたシールド・カードの「S・トリガー」を使ってもよい)
奇跡の精霊ミルザム SR 光文明 (9)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 11000
ブロッカー
ウルトラシールド・プラス−このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札を上から5枚まで、裏向きのまま、自分のシールドいずれかひとつの下に置いてもよい。
W・ブレイカー
※プレミアム殿堂

概要 [編集]

シールドがひとつ以上存在するときに《ヘブンズ・ゲート》を唱え、《音感の精霊龍 エメラルーダ》《奇跡の精霊ミルザム》の2体を出すところからループを起動させる。

《奇跡の精霊ミルザム》ウルトラシールド・プラスした盾を《音感の精霊龍 エメラルーダ》暴発させ、無限に《奇跡の精霊ミルザム》《音感の精霊龍 エメラルーダ》を出す機構を確定させ、その機構を活用してエクストラウィンライブラリアウト1ショットキルを目指す。

2015/08/01開催の公認グランプリで準優勝という見事な成績を収めたことで一躍有名になる。その際、【暴発ミルザム】無限ループ機構には《フォース・アゲイン》《ハイドロ・コミューン》等が採用されていた。
以降、様々な機構が開発されており、それによって型分けされているのが現状である。大きく分けて

  1. 【フォース・アゲイン型】(初期型)
  2. 【目的不明の作戦型】
  3. 【アゲイン・目的不明折衷型】
  4. 【ブライゼナーガ併用型】(殿堂対応型)

の4つに分類され、フィニッシャーによって更に細かく分類される。

無理に詰め性能を追求しなくとも、ループエンジンを使ってブロッカーを大量展開しつつ相手盤面を除去し、適宜ワンショットするだけでどうにかなるケースも多かった。革命編環境当時は【赤単レッドゾーン】など【速攻】に焦点を絞ってS・トリガーを採用したデッキが多く、このデッキの雑殴りプランに対応するブロッカー全体除去まで手が回らないデッキが殆どであった。もし1ターンを確実に凌ぐ系のS・トリガーを踏んでも、シールド追加機構のおかげでワンショット失敗時の保険はバッチリであった。

2016/2/28の制限改訂により、《奇跡の精霊ミルザム》殿堂入り。成功率は低下したが、殿堂入りに対応して環境に残り続けたため、2017/2/26の改訂によって《奇跡の精霊ミルザム》はプレミアム殿堂に指定。これによりこのデッキは事実上消滅。
事実上直近となる殿堂レギュレーションで行われたデュエル・マスターズグランプリ-3rdではベスト8に入賞している。
その後も《幸運の精霊ファイブスター》をリペアにした「ファイブスター天門」が開発されるもメタ格には進出できていない。

複数の「S・トリガー」処理をする場合の注意点 [編集]

《音感の精霊龍 エメラルーダ》の頁でも記載しているが、改めてこの頁でも注意喚起する。

シールド交換等でS・トリガー等を使う場合、処理順は以下のようになる。ややこしいので使用する場合は十分に把握しきった上で使用すべきである。

  1. シールドをひとつ(複数のシールドカードで構成される場合は束になって)手札に加えようとする。(任意
    《黒神龍ブライゼナーガ》で複数のシールド手札に加えようとする場合も全て同時である。
    その前にその中身を実際に手札に加える前に確認する。
  2. S・バックコストに使えるカードS・トリガーがあり、使用する場合は
    そのシールドの中から使用するシールドカードを相手に公開する準備を整える。
  3. 先にS・バックを公開し、処理する。
    このときにはそのシールドはすでにシールドゾーンから離れ、手札に加わっているという扱いになる。
  4. 次にS・トリガーを公開し、処理する。
  5. すべて処理し終えたら、《エメラルーダ》の能力により、手札から1枚、独立したひとつのシールドとしてシールドゾーンに置く。(任意であり、複数の踏み倒しを実行した直後だと忘れやすい。注意)
    《ブライゼナーガ》で暴発させた場合はこのステップをスキップする。
  6. 《エメラルーダ》の処理が全て終わる。
    ここではじめてS・バッククリーチャーS・トリガークリーチャーcip解決できる。
  7. 自分のターンであれば、相手の《早撃人形マグナム》等の処理より前に、これらのcip解決
    相手のターンであれば、相手の《早撃人形マグナム》等の処理を先に解決する。
  8. 誘発型能力解決中にさらに自分のS・トリガーS・バックトリガーした場合は、他のいかなる誘発型能力による効果よりも優先して解決しなければならない。

主要カード [編集]

候補カード [編集]

コスト踏み倒し [編集]

《フォース・アゲイン》ループに必要。cippigを起動させる
《目的不明の作戦》ループに必要。墓地から呪文を唱える
《サイバー・I・チョイス》手札からS・トリガーを使う
《ポジトロン・サイン》山札からS・トリガー呪文を唱える
《ドラゴンズ・サイン》光のドラゴンを手札からコスト踏み倒し

味方をバウンス [編集]

手札補充サーチ [編集]

山札回復 [編集]

墓地回収サルベージ [編集]

マナ回収 [編集]

ハンデス [編集]

ハンデス対策 [編集]

コスト踏み倒しメタ速攻メタ [編集]

フィニッシャー [編集]

ドラグナードラグハート [編集]

【フォース・アゲイン型】 [編集]

初期型。アゲイン型、従来型ともいう。
一発の【暴発ミルザム】から《ヘブンズ・ゲート》《フォース・アゲイン》《転生スイッチ》等を起爆させ、また新たに
【暴発ミルザム】できるように解決する。

これにより、未解決の《奇跡の精霊ミルザム》cipを積み増ししながら、山札の枚数を減らしていくことができる。

山札が減りきったところで《埋没のカルマ オリーブオイル》解決墓地S・トリガー呪文山札に装填し、未解決の《奇跡の精霊ミルザム》を一気に解決し、《音感の精霊龍 エメラルーダ》で一度に暴発させる。

そうすることで、《埋没のカルマ オリーブオイル》にも1枚の《フォース・アゲイン》を充てる余裕が生まれる。不要な呪文を唱えず、墓地に落とすS・トリガー呪文を厳選することで確定した無限ループが成立する。

圧縮後の山札の理想は

  1. 《フォース・アゲイン》4枚
  2. 《ヘブンズ・ゲート》
  3. 《ハイドロ・コミューン》
    の計6枚。

場に既に《音感の精霊龍 エメラルーダ》《奇跡の精霊ミルザム》《埋没のカルマ オリーブオイル》の3体が展開されていれば、ウルトラシールド・プラス時にどれか1つの呪文が欠けていても継続して【暴発ミルザム】が可能。フィニッシャーは大きく分けて2種類。

【アレフティナ】 [編集]

2015/08/01開催の公認グランプリで使用された型。
《フォース・アゲイン》《音感の精霊龍 エメラルーダ》に過剰に充てることで、手札の限りシールド追加が可能。ループ途中に《転生スイッチ》を挟むことは容易であるため、《光霊姫アレフティナ》を踏み倒してエクストラウィンすることができる。

【ヴォルグ・サンダーライブラリアウト】 [編集]

同様に《復活の祈祷師ザビ・ミラ》《転生スイッチ》で出し、《フォース・アゲイン》で使い回せば可能。

【パクリオループ】 [編集]

2015/09中旬に成立。
《フォース・アゲイン》《パクリオ》、ないしは《サイバー・N・ワールド》に充て、《パクリオ》を30数回、《サイバー・N・ワールド》を6〜7回、未解決cipを積み増しする。一気に適宜解決することで間接的なライブラリアウトが可能。

【目的不明の作戦型】 [編集]

2015/11初旬に成立。通称目的不明型。

《目的不明の作戦》《目的不明の作戦》を踏み倒せることを利用し、山札圧縮を狙う。
一発の【暴発ミルザム】から《ヘブンズ・ゲート》《目的不明の作戦》《ハイドロ・コミューン》《転生スイッチ》等を起爆させ、また新たに【暴発ミルザム】できるように解決する。

《目的不明の作戦》《ヘブンズ・ゲート》にも《ハイドロ・コミューン》にも化けるため、主にその点を活用して山札の枚数を減らしていく。

山札の中身が6枚以下(以降は原則5枚)で、かつ《目的不明の作戦》3枚(山札の下《目的不明の作戦》で確定)を含ませれば、墓地の呪文を絡めて確定した無限ループが成立する。

《ミルザム》殿堂により、《フォース・アゲイン》を使わないこの型はほぼ消滅した。

【アレフティナ】 [編集]

《目的不明の作戦》を挟むことで1ループにつき確実に《ヘブンズ・ゲート》2枚と《ハイドロ・コミューン》1枚を踏み倒せる。したがって手札の限りシールド追加が可能。ループ途中に《転生スイッチ》を挟むことは容易であるため、《光霊姫アレフティナ》を踏み倒してエクストラウィンすることができる。

【無重力勝利】(アダムスキー) [編集]

《ペイント・フラッペ》エンジェル・コマンドを追加。《覚醒の精霊ダイヤモンド・エイヴン》召喚酔いを無効にして、《S級宇宙 アダムスキー》S級侵略させまくる。

またはループに《ドスコイ・イチバンボシ》を組み込み、《イチバンボシ》が出たり離れるたびに誘発する追加ブレイク付加を、使い終わった《サイバー・I・チョイス》から《転生スイッチ》などで進化させた《アダムスキー》に与え続け、一撃でデッキを削りきる型も存在する。

【ホワイト・ブラックホールループ】 [編集]

《エマージェンシー・タイフーン》で捨てた《超次元の手ホワイト・ブラックホール》《目的不明の作戦》で唱え続けるループシールドゾーンを介しながら着実に1枚ずつ山札を削っていく。基本的に相手のシールドゾーンにはシールドが残っているはずなので、《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》の影響を無視できる。

【アゲイン・目的不明折衷型】 [編集]

上述の通りループ継続にはこれら2種類の呪文が重要。したがって、アゲイン型にせよ目的不明型にせよ、他方を1〜3枚程度積み、ループに安定感を持たせる構築も珍しくはない。
だがこの項目で記述する型は、この2枚を最大限まで積んでいるのが最大の特徴である。
ループ成功率は最高峰だが、当然デッキの枠が圧迫されるため、《真・龍覇 ヘブンズロージア》無限ループによって成立する《極真龍魂 オール・オーバー・ザ・ワールド》を活用してフィニッシュする。

《極真龍魂 オール・オーバー・ザ・ワールド》ではマナゾーンシールドゾーンに関与できないため、より確実な勝利には工夫が必要。事前に《コラプス・ウェーブ》無限ループランデスし切ってドローロックを行い、《サイキック・ユー》でより安全なシールドを再構築するのが理想的。

《禁断〜封印されしX〜》と対峙した場合のプレイングについて [編集]

ちなみに《極真龍魂 オール・オーバー・ザ・ワールド》では、相手の《禁断〜封印されしX〜》禁断解放してしまう。自身がターン・プレイヤーの場合は、禁断解放が非ターン・プレイヤー誘発型能力になってしまうため、ターン・プレイヤー側の誘発型能力解決し続ける従来のプレイングをどんなに繰り返しても、最終的に《極真龍魂 オール・オーバー・ザ・ワールド》封印されてしまう。

その場合は、事前に《奇跡の精霊ミルザム》《音感の精霊龍 エメラルーダ》《真・龍覇 ヘブンズロージア》cipを十分回数積み増ししておく。
すると、《極真龍魂 オール・オーバー・ザ・ワールド》《フォース・アゲイン》で解体しながら、任意回数《龍魂遺跡 グリーネ》を出せることになる。
《コラプス・ウェーブ》を自分にも撃ち、山札回復を狙えば7マナまでマナを回復させることが可能。

《音感の精霊龍 エメラルーダ》手札《真・龍覇 ヘブンズロージア》シールドゾーンに退避させ、頃合いを見計らったところで、《龍魂》シリーズ4枚を場に揃え、退避させた《真・龍覇 ヘブンズロージア》《音感の精霊龍 エメラルーダ》で回収し、ここでトリガー処理を一旦全部中断させる。

すると、勝手に《伝説の禁断 ドキンダムX》が登場する。後は、コストを支払って出した《真・龍覇 ヘブンズロージア》でもう1枚の《龍魂》を出せば、《極真龍魂 オール・オーバー・ザ・ワールド》によって《伝説の禁断 ドキンダムX》を吹き飛ばすことができる。

【ブライゼナーガ併用型】 [編集]

《奇跡の精霊ミルザム》殿堂入り後に、《ミルザム》の盾落ちと枚数不足を補う目的で、ドラグナーの枠を押し退けて《黒神龍ブライゼナーガ》が搭載されるようになる。《ミルザム》の枚数そのものが少ないため、ループ目的に特化すると《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》の威力が大いに削がれてしまうためである。

公認グランプリ「デュエル・マスターズグランプリ-2nd」ベスト8に残った天門ループは2名存在したが、両者とも搭載している。

5つシールドが残っていれば、《ブライゼナーガ》1枚でほぼ「ミルザルーダ」と同じ処理が行える。cip故にS・トリガー《転生スイッチ》で出し入れすると他の処理が続く限り解決を保留できるため、ループの起爆剤としても中継ぎとしても優秀である。このデッキだと《父なる大地》で引っ張りだされてもS・トリガー満載なので比較的に強気に出れる。

《ブライゼナーガ》を解決する場合の注意点として、ループ継続のためには必ず《エメラルーダ》cipを2回以上誘発させなければならない点が挙げられる。《ブライゼナーガ》には《エメラルーダ》にあるシールド追加がないため、《エメラルーダ》でシールド追加しないと《ミルザム》が不発に終わり、もう1回ないと暴発ができない。《深緑の魔方陣》で追加できるのであれば《エメラルーダ》は1回で十分。

【白青黒型】 [編集]

《ブライゼナーガ》以外は従来通り。文明の確保、および《奇天烈 シャッフ》などの厄介なメタカード対策に《生死の天秤》が増量されたり、フィニッシャーが《復活の祈祷師ザビ・ミラ》《黒神龍ザルバ》になったりする。《光霊姫アレフティナ》も当然可能。
《フォース・アゲイン》殿堂後のループギミックは目的不明の作戦型が主流。
またフィニッシュの選択肢として新たに《アルカディア・スパーク》が登場。
単体でも防御札かつ使い回せば《黒神龍ザルバ》のような強制ドローをになり妨害されにくいため主にこちらが使われることに。

【赤抜き4色型】 [編集]

通称「緑天門」。《クリスタル・メモリー》等の手札補充を《ディメンジョン・ゲート》《五郎丸コミュニケーション》《フェアリー・シャワー》に変更し、自然のカラーが色濃く出るようになっている。
《ブライゼナーガ》との相性が良い《フェニックス・ライフ》《復活と激突の呪印》も無理なく搭載可能。《月の死神ベル・ヘル・デ・スカル》も汎用札として検討できる。

その他 [編集]

このデッキの全盛期である革命編が展開されていた2015年は、『遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム』でも【ノーデン1キル】が、『ポケモンカードゲーム』でも【時空ダーテング】が猛威を振るうなど、TCG全体でみてもソリティア全盛の時代であった。

参考 [編集]