どこでもないゾーン [編集]

概要 [編集]

かつて存在していた、カードを使う時のルール。

2022年9月24日のルール改定で保留状態として再定義され、現在は存在しない。
ルールの詳しい解説は保留状態のページを参照。

その他 [編集]

  • 「どこでもないゾーン」はデュエル・マスターズ総合ゲームルールで制定された。公式のかなり堅い文章内に突如間延びしたような名称が登場したため、プレイヤーの間で一時話題となった。制定した真木孝一郎氏にいたるまでネタにするほどである。
    • どこでもないゾーンはゾーンのひとつであるため、この名称は自己矛盾を孕んでいる。イメージとしては「どこでもないゾーン」というより「(既存の)どこのゾーンでもない」といった方が近い。
    • 結局この「どこでもないゾーン」という名称は「保留状態」へ変更されたため、ネタ感は拭された形になる。
  • 見かけ上ゾーンの一つとして扱われているが、実際のところはカードによって「どこでもないゾーン」への移動を「ゾーン移動」とみなすかはまちまちだった。
    カードが「マナゾーン→どこでもないゾーン→マナゾーン」という移動になる場合だけは、いつの時代もタップ・アンタップはリフレッシュされず、移動しようとした前の維持すると案内が徹底されていたが、これが誘発型能力になるとそれとは一貫しない裁定が存在して混乱を招く時期もあった。
    その最たる例が【ケドケドベラドマイ】であり、どこでもないゾーンからの移動を「ゾーンの移動が発生した(のでスペース・チャージは誘発する)」との裁定が公式サイトに載ったことで成立したデッキタイプである。
    • 保留状態はどこでもないゾーンとは異なり「元いたゾーンに存在する」扱いのため、ゾーン移動を経由せず直接移動する(その前後でゾーンが変わらない場合、「ゾーン移動しなかった」扱いになる)裁定で統一された。
  • ドラゴン娘のどこでもないゾーン』のタイトルの由来だったが、同作の連載中にルール改定が行われ、この用語が廃止されてしまった。
    作中でもこのルール改定はネタにされており、休載の際に「保留状態に入らせていただきます」という告知が行われている。

参考 [編集]

保留状態 [編集]

カードを使う時、またはカードがバトルゾーンに出る時に発生する状態。
カードを使う時またはバトルゾーンに出す時、そのカードは保留状態となり、他のカードの影響を受けなくなる。

使っている途中のカードが処理中にゾーンを移動したり継続的効果が付与されるなどして、想定外の挙動が行われないようにするための処理。

かつてはどこでもないゾーンとしていたが、2022年9月14日に総合ルールVer.1.32への改定で名称が「保留状態」に変更され、一部の処理も変更になっている。

ルール [編集]

  • カードを使用した際や、効果でカードがバトルゾーンに出る際、それらのカードは実際にゾーンを移動するまでの間、保留状態になる。
    • クリーチャーなど、バトルゾーンに出るカードを使用した際や、効果でバトルゾーンに出そうとした際、それらのカードは実際にゾーンを移動するまでの間、保留状態になる。
    • 呪文は唱えてから効果を解決し終えるまでの間、保留状態になる。解決が終わった後、唱えていた呪文は墓地に置かれる。
  • カードを移動させる処理が解決された時点で保留状態は解除される。
    • 置換効果が適用される、墓地から呪文を唱えるなどして、解決後に元々置かれていたゾーンに再度置かれた場合も、保留状態は解除される。
  • 保留状態にあるカードは、他のカード効果などで参照されたりカウントされたりしない。
    • 例1:バトルゾーンに自分の《紅神龍オグリストヴァル》があり、手札《エナジー・ライト》1枚のみの状態で、その《エナジー・ライト》を唱えた。
      唱えている《エナジー・ライト》が保留状態となり、手札の枚数が0枚となるため、《紅神龍オグリストヴァル》のパワーが0になり破壊される。
    • 例2:手札から唱えた《エマージェンシー・タイフーン》効果手札のカードを捨てる場合、その唱えた《エマージェンシー・タイフーン》自身を捨てることはできない。
      唱えている《エマージェンシー・タイフーン》は手札にあるが、保留状態になっているため、カードの効果で捨てることはできない。
    • 例3:自分のマナゾーンにカードが4枚あり、バトルゾーンに相手の《獣軍隊 ヤドック》がいる状況で、マナゾーンから《虹速 ザ・ヴェルデ》召喚する。
      《虹速 ザ・ヴェルデ》が保留状態になることでマナゾーンのカードの枚数が3枚になり、《獣軍隊 ヤドック》の置換効果が適用される。
  • カードは保留状態になっても、そのゾーンを離れたことにはならない。
  • 保留状態になっているカードが元々置かれているゾーンに再度置かれた場合、そのゾーンにカードが置かれたことにはならない。
    • カードが置かれたことで誘発する能力は誘発せず、また、そのカードの位相は変化しない。
    • 例外として、呪文墓地に置かれることで適用される置換効果は、墓地から唱えた呪文が再び墓地に置かれる場合でも適用される。
  • 保留状態になったカードが保留状態ではなくなった後、そのカードは、保留状態になる前に与えられていた効果を失う。
    これは、保留状態になっているカードが元あったゾーンに再度置かれた場合も同様である。
  • 1つの効果によって複数枚のカードを同時に使う場合、それらをすべて保留状態になった後、1枚ずつ使う。
  • 1つの効果によって複数枚のカードを同時にバトルゾーンに出す場合、それらを全て保留状態にした後、1枚ずつバトルゾーンに出す。
    • ただし、複数枚の封印をつける場合に限り、1枚ずつではなく全て同時につける。
  • カードを使う際、そのカードはコストを支払う前に保留状態となり、保留状態でコストを支払う。
    • マナゾーンにあるカードを使う場合、保留状態になっているその使うカードをタップしてマナコストと文明を支払える。(総合ルール601.1c)
  • カードの使用条件を変更する効果や、マナコストを増減させる効果は、カードの使用を宣言し、そのカードが保留状態になる前に適用する。
  • 次のターンに移行する時、その時点で保留状態のカードはすべて墓地に置かれる。この時、新たに能力はトリガーしない。
  • 保留状態にあるカードも、何らかの効果でその状態にあるまま使うことができる。
    • 《英知の防壁》はそれを前提とした呪文で、多人数戦では1度唱えられたその呪文で選択されたプレイヤーは、唱え終わった呪文が墓地に置かれる処理の前に唱え直す権利を得る。

裁定の変遷(史料) [編集]

  • 2022年9月14日のルール改定でどこでもないゾーンから変更されるとともに、いくつかの挙動が変更された。
    • 変更前のルールでは「どのゾーンにも該当しないゾーン(どこでもないゾーン)にカードを移動する」ことで、他の効果の影響を受けなくしていた。
      変更後のルールではゾーンを移動せず「他の効果の影響を受けない状態(保留状態)」を付加することで、同様の状況を発生させている。
    • どこでもないゾーンに置かれるのは「カードを使った時」だけだったが、「カードの効果でカードがバトルゾーンに置かれる時」にも保留状態が発生するようになった。
      これによって、クリーチャーが召喚以外でバトルゾーンに出る時にも保留状態が発生するようになり、多くのカードの挙動が変わっている。
    • 保留状態によってゾーン移動が発生しないことが明記された。
      これによって、下記の保留状態(どこでもないゾーン)からの解除によって「ゾーンに置かれた」イベントのみが発生するという挙動が撤廃されている。
      +  折りたたみ
    • 複数のカードが同時に保留状態になった場合の処理が明記された。
      それまでは《魔導管理室 カリヤドネ》で複数枚の呪文唱える際、効果の対象になったが唱えていない呪文がどのゾーンにあるのか裁定が曖昧で、しばしば議論になっていた。

その他 [編集]

  • プレイしたが解決前・解決中呪文」の保留状態を明示する際、バトルゾーンと同じ場所に置かれることが多い。
    • 大抵の場合で最もスペースのある場所がバトルゾーンなのであり、他のカードと混同しづらい場所であればバトルゾーンでなくともよい。
  • 《パーロックのミラクルフィーバー》などの能力で山札の一部を公開する場合は、山札のカード群が物理的に離れている状態であるが、保留状態(および、どこでもないゾーン)とは関係ない。
    • もしもそれらが保留状態と扱われたら、保留状態のカードはそのゾーンの枚数に数えない原則で想定外の現象が起こってしまう。例えば《ドンドン吸い込むナウ》のようなカードで裏向きで伏せた状態の山札がなくなってしまえば、そこでライブラリアウトが発動することになる。もちろんその状態でも敗北しないので保留状態ではないと説明できる。
  • 俗に「解決領域」や「スタック」、「チェックゾーン[1]」、「グレーゾーン」と呼ばれることがある。ただし、Magic:The Gatheringの「スタック」に関するルールとは大きく異なるので注意。

デュエル・マスターズ プレイスでは [編集]

概ねTCGの保留状態のルールに従って処理される。

+  TCGの保留状態のルールに従っている例

一方、TCGの保留状態とは異なる処理を行っている場合もある。

参考 [編集]


[1] WIXOSSにおける公式用語