オリジナルパック [編集]

タカラトミーから発売されているエキスパンションとは異なる、店舗独自で販売されているパックのこと。通称オリパ
デュエル・マスターズに限らず、様々なTCGにおいて行われている中古カードの販売形態の一つである。

オリジナルパックとは銘打たれているが、要するに「中古カードクジ」である。

同じく中古販売であるシングルカードとの大きな違いは内容が固定ではないという点にあり、当たりであれば販売価格の数倍の相場のカードが封入されている一方で、ハズレだとノーマルハズレアといった低相場なカードしか入っていないなど非常に渋い結果になる事が多く、投資金額に比して全く割に合わない、詐欺じみた結果になってしまう事も決して少なくはない(所謂爆死である)。
ただし、販売価格によっては名だたる高額カードですらハズレ扱いになっている(特に公認グランプリの優勝者賞が当たりになっている場合)事もあるので、この法則は一概には言えない。

一方で、ノーマルでも相場が高騰しているカードであったり、絶版の貴重なカードが含まれている事もあったり、少ない投資でチャンピオンシップ公認グランプリ限定のプロモーション・カードが手に入る可能性もあるなど、決して悪い事ばかりというわけではない。
ハイリスクハイリターンなスリルを楽しみたい、質より量を重視したい、ただ「パックではなくカードを買う」という感覚が気に入らないというプレイヤーであれば手を出してみる価値はある。

  • シングルカードと同様、中古販売にあたり古物商許可が必要なものなので、本来は一般人が勝手にオリパを販売してはいけない
    • 仮に許可があったとしても、オリパの中に当たり一覧にあるカードを含めていなかったり(要するにハズレしかない)、販売価格に比して明らかに遜色のある封入が大半だったりすると詐欺罪が成立する可能性が高い。店舗や個人の誠実さが問われる所だろう。
  • TCG専門ではないリサイクルショップなどでスーパーレアなど光物のみシングルカード扱いで、光物ではないレア以下はすべてオリパ扱いという店舗も少なくない。そういった扱いの店舗でデッキパーツを集める場合は大変だろう。
  • 販売店舗側の視点ではシングルカード扱いでの販売が見込めない低いレアリティのカードや高いレアリティでも価値の低いカードなどを処分する手段の一つがオリジナルパックであり、考えもなしに購入すると損することの方が多い。
    しかし、価値自体は高かったが損傷が激しくシングルカード扱いで販売できないカードが封入されている場合もあり、販売側とプレイヤー側の価値観の違いで得することは考えられる。
  • 2021年1月のレートでは一般に、首都圏のオリジナルパックの還元率は50~60%、高くても80%弱とされる。

オリジナルパックの販売形態(一例) [編集]

スリーブに入っているタイプ [編集]

スリーブに1枚もしくは数枚のカードが封入されているタイプ。封入枚数が少ない分、当たりハズレは非常に大きい。

ブロック型のタイプ(ブロックオリパ) [編集]

カードの塊をブロック状に固めて封がしてあるタイプ。数枚の当たりが表面に見えているだけで、中身の大半はノーマルである。ノーマルが何十枚か纏めてほしい場合には有用なこともある。

自動販売機タイプ [編集]

自動販売機に一定金額の硬貨を投入する形で販売されているタイプ。カードは自販機専用の箱に入っている事が多い。このタイプは「ガチャ」と呼ばれる事もある。

問題点 [編集]

オリパは、新たな中古販売の方法として人気を博している一方で、金銭の授受がある事とそのランダム性の強さゆえ、過度かつ継続的に消費者の射幸性を煽る違法な「賭博」や「富くじ」にあたるのではないかという問題点が指摘されている。

オリパの購入者
単純賭博罪(刑法185条)の要件は、
①偶然性
②財物や財産上の利益(価値の低い物を除く)
③得喪性(得をすることと損をすることがあること)
以上の3つである。
特にハイリスクハイリターンなオリジナルパックを購入した場合、「当たった者は大きな金銭的なアドバンテージ(爆アド)を得られるが、外れた者はほとんど価値のあるものは手元に残らず、金銭的に大損をしてしまう(爆死」ことから、単純賭博罪の要件をすべて満たしてしまうのである。
尚、常習的にオリパを購入した場合、より量刑の重い常習賭博罪(刑法186条1項)に問われる蓋然性がある。
オリパを購入する際は、財産性や得喪性の要件を満たすか否かを店側に確認するのが無難である(店側の対策については後述)。
オリパの販売者
カードショップの店頭やインターネット上で、当たりや外れの差が激しいオリパ販売をした場合、上記の賭博行為をさせていることとなり、賭博場開帳罪(刑法186条2項)が成立するのではないかと指摘されている。
また、オリパ販売により代金を受領し、偶然性のある方法により、購買者間で不平等な利益分配をしているという観点から、富くじ罪(刑法187条1項)が成立するという見方もある(その場合、同条3項の規定により、富くじを授受した者にも同様に罪が成立する)。
Youtuber
こうしたオリパの売買は、Youtuberによる所謂「オリパ開封動画」の隆盛から過激化し始めたと言われている。
即ち、Youtuberが店で購入したオリパの開封結果に対し大きなリアクションを取ることで、視聴者は射幸性が刺激される。これにより、一攫千金を狙って大量のオリパを購入する者と、より当たり外れの大きい過激なオリパを販売する者とが多数発生している、というのである。
無論、オリパを購入しているYoutuberらについても、場合によっては上記の諸犯罪が成立しかねないことには注意されたい。
対策
こうした指摘に対し、TCG業界も一定の改善反応を示している。
たとえば、賭博罪の要件の一つである財産性を回避するため、「超高額カードは収録しない」とする方針を新たに掲げるといったことが見られる。
他にも「市場価格・店舗販売価格以上を最低保証得」、「福袋形式」とすることで得喪性を回避することにより、賭博対策を進めている。

参考 [編集]