【ボルメテウスコントロール】 [編集]

シールドブレイクするかわりに墓地に送る《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》フィニッシャーにした【除去コントロール】

略称は「【ボルコン】」。
類似したスペック《ボルメテウス・ブラック・ドラゴン》《真実の名 ボルメテウス・ゼロ・ドラゴン》が使われる事も多い。

ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン SR 火文明 (7)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 7000
W・ブレイカー
このクリーチャーがシールドをブレイクする時、相手はそのシールドを手札に加えるかわりに持ち主の墓地に置く。
ボルメテウス・ブラック・ドラゴン P 闇/火文明 (8)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/デーモン・コマンド 8000
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手のクリーチャーを1体破壊する。
このクリーチャーがシールドをブレイクする時、相手はそのシールドを自身の手札に加えるかわりに墓地に置く。

もともとは【白青黒赤ライブラリアウト】が原型であり、それらのライブラリアウトの要素をすべて抜き、そのスペース《ボルメテウス・レッド・ドラグーン》除去カードを入れたようにして組まれていた。

そのため、タッチを利用して1枚挿しされた様々な種類のカードを状況に合わせて的確に使っていくという戦術が主流。

とはいえ、あくまでボルメテウスシールド焼却で勝利することがコンセプトなので、特に決まった定型はなく、プレイヤーの好みが反映されやすい。環境や各プレイヤーの好みに合わせて調整されていくうち、元となった上記デッキタイプの原形をほとんどとどめていないようなものも見られる。

主要カード [編集]

サポート呪文 [編集]

概要 [編集]

《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》などのシールド焼却により、S・トリガーによる逆転の可能性がほとんどないのが特徴。一度制圧してしまえば安全に相手を追い詰めていけるのが長所であると言える。

類似したスペッククリーチャーには《ボルメテウス・レッド・ドラグーン》《真実の名 ボルメテウス・ゼロ・ドラゴン》がおり、使い分けが肝心。

本家《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》ならば《希望と勝利の伝説》で早期にコスト踏み倒しが可能なので、積極的に組み合わせたい。

《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》自身は除去ハンデスができず、相手の除去に対する耐性も無い。よって、出すまでにしっかりとバトルゾーンの状態を整えておく必要がある。少なくとも、《解体人形ジェニー》《パクリオ》などのハンデスで相手の除去を封じておくことはしておきたい。

グッドスタッフ気味に構成されることがほとんどで、そのためにコンボ要素を全くと言っていい程含まず、安定していることが特徴。

各状況に応じてプレイングしなければならないため、初心者が使いこなすことは難しい。総じて中級者から上級者向けのデッキとなる。

バリエーション [編集]

基本型 [編集]

最もスタンダードな型とされるのは【白青黒赤ライブラリアウト】を雛型にした自然以外の4色で組まれたタイプ。

多くはハイランダー気味に組まれ、《天使と悪魔の墳墓》による同名カードの除去およびランデスを利用する。また、《クリスタル・メモリー》のようなサーチを利用して状況に合わせて的確な手を打って相手の行動に対処する。

柔軟性は非常に高く、どのような相手にも対抗できる可能性があるが、逆にプレイングの難易度は高い。デッキビルディングは自由に行えるものの、上級者向けの戦略と言える。

ランデス型 [編集]

のかわりに自然を入れてランデスを行うもの。青赤緑で組まれることが多く、無色タッチされることもある。

《マナ・クライシス》《焦土と開拓の天変》などのランデスで相手の足を引っ張り、《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》の安全な降臨に繋げる。《龍素記号Sr スペルサイクリカ》とは相性がよく、ランデス呪文を連出したり、《希望と勝利の伝説》を唱えて《ホワイト》を出すことができる。《超次元フェアリー・ホール》から《時空の喧嘩屋キル》をばら撒いて打点の強化を図るなど、超次元の旨みを活かしやすい。

《勝利のリュウセイ・カイザー》進化元《甲型龍帝式 キリコ³》を出しても面白いだろう。

ボルゼロ型 [編集]

無色《真実の名 ボルメテウス・ゼロ・ドラゴン》を活用するタイプ。《希望と勝利の伝説》は使えないものの、《戦慄のプレリュード》のようなコスト軽減呪文が使用可能。早期召喚を狙っていく。

《「戦慄」の頂 ベートーベン》とは相性がよく、マナゾーンから《ゼロ・ドラゴン》を回収できる。《メッサダンジリ・ドラゴン》スピードアタッカーにしたり、《偽りの名 ハングリー・エレガンス》マナ召喚するなど、アンノウンならではのサポートを受けることが可能。

一風変わった【ボルメテウスコントロール】となるだろう。

ハンデス型 [編集]

【青黒ハンデス超次元】【白青黒超次元】の5枚から10枚の自由枠に《温泉 湯あたり地獄》《希望と勝利の伝説》《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》本体をタッチしたタイプ。終盤に《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》で安全にシールドブレイクする点を除いてはプレイングは元になったデッキとほぼ変わらない。
シールド焼却によって相手に手札を与えずブレイクする《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》とハンデスは大きなシナジーを形成するが、軽量ハンデスを中心にするためデッキパワーは抑え目であり、今引きに弱いという【ボルメテウスコントロール】の弱点を晒し出しやすい。

また、《ヴォルグ・サンダー》を打つプレイングが普通の系統の【超次元コントロール】より相対的に少ない分こちらの山札の方が少なくなる場面が多く、調子に乗って山札を掘り進めている内にライブラリアウトもあり得る。そのため、《龍素記号Xf クローチェ・フオーコ》《埋没のカルマ オリーブオイル》等の山札回復カードは1枚挿しておくと助かる場合がある。

何より【青黒ハンデス超次元】【白青黒超次元】のテンプレが固まっている時期には本体を始めとする火のカードを入れる枠が無いので、総じて【ボルメテウスコントロール】としてはマイナーなタイプと言えよう。

【ボルメテウスコントロール】要素を搭載しやすいデッキ [編集]

「相手の手札をすべて落とす→今引きでしかボルメテウスに対抗できない状況を作る」が基本的なコンセプトのため、ハンデスボルメテウスを搭載したデッキならば【ボルメテウスコントロール】の動きを再現しやすい。

このデッキの弱点 [編集]

優秀な除去呪文は4コスト以上のものに集中している傾向があるため、必然的にビートダウンに対しては苦戦を強いられることとなる。
《墓守の鐘ベルリン》《霊王機エル・カイオウ》などのブロッカーで対処する手もあるが、それでも辛いことに変わりはないため、対策は必要。

また、他の【除去コントロール】にも言えることだが《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》《光器パーフェクト・マドンナ》に弱い。置換効果によって破壊すらできない強固な壁となる。

また、展開力がないために《魔刻の斬将オルゼキア》などで複数体除去されてしまうと苦しい。《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》などを活かすためには、やはりハンデスで相手の除去を確実に封じておきたい。

このデッキの歴史 [編集]

緑抜き4色の【除去コントロール】聖拳編で成立した。ブロッカーやアンタップキラー重量級除去呪文を軸としたものであった。【白青黒赤ライブラリアウト】フィニッシャー《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》を搭載しただけという趣きで、当時は山札破壊呪文が現役であったため元デッキの劣化になりがちであったが、ほとんどのプレイヤーは当時の公式大会の制限時間10分以内に相手の山札を切らす事ができなかったため、こちらを使う意義は十分にあった。
また、【除去ボルバル】のメインフィニッシャーは事実上《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》であったため、そちらも広義では【ボルコン】と言えた。
転生編辺りには《停滞の影タイム・トリッパー》《英知と追撃の宝剣》《腐敗勇騎ドルマークス》といった(疑似)ランデスギミック、《パクリオ》のようなハンデス《電脳聖者タージマル》のようなドラゴン対策を盛り込んだ、青黒赤タッチ型もあった。そちらはランデスによる妨害性能が刺さる相手も少なくなかったため、《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》本体に拘らずフィニッシュすることも十分できた。

競合フィニッシャー山札破壊呪文が全面禁止された直後に日本一に輝いたのはこのデッキである。すでに《ボルメテウス・レッド・ドラグーン》が登場しており、【除去コントロール】ではフィニッシャーの1コスト差が大きくないこととパワーラインの違いからもっぱら《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》よりもそちらが優先された。
極神編環境で最初の流行を果たす。【白青黒赤ライブラリアウト】を原型にしており、《魂と記憶の盾》《クローン・バイス》、各種S・トリガーなどパワーカードはしっかり4枚積みされているため、まだハイランダー的な要素が薄かった。《光神龍スペル・デル・フィン》をサブフィニッシャーに据えるなど、《ボルメテ》以外の勝ち筋を最初から切り捨てるものでもなかった。

《魂と記憶の盾》《クローン・バイス》らが殿堂入りしてからはハイランダーに寄せた構築にすることも難しくなくなり、DM-35期あたりの《天使と悪魔の墳墓》が大流行した頃は「究極の墳墓避け」としてのハイランダーである点が評価された。この頃に開催されたCSでは度々【マッドロマノフワンショット】【ヘヴィ・デス・メタル】らを抑えて上位入賞しており、この時期のトップメタといって差し支えなかった。

ところが、手軽にフィニッシャーを用意できる【超次元コントロール】や、より決定力の高い【ターボゼニス】などに押されて、覚醒編の頃よりメタゲームでの活躍は遠のいている。今引きでゲームが終わることが多くなったがゆえに、相対的に地位が低くなった。

革命編高速化した環境ではハイランダーという制約もあってボルメテウスシールド焼却のみで安全に〆る余裕が無くなったため、シールド焼却は2枚で妥協して残りは通常ブレイクを行うケースがざらになってしまうという有様。
革命編でこのデッキタイプの構築済みデッキであるDMD-24が発売され、《希望と勝利の伝説》などのサポートカードや新たなボルメテウスである《ボルメテウス・ブラック・ドラゴン》が収録されており、このデッキタイプを大幅に強化することとなったがそれでも環境についていけるほどではなかった。

新章デュエル・マスターズでは、《水上第九院 シャコガイル》が登場。相手に手札を与えずに勝利したければ、攻撃せずに安定してエクストラウィンを取れる《シャコガイル》を使ったデッキの方が安定するため、このデッキタイプはますます立場を失う。

双極篇終盤では、山札送りシールド焼却能力を持った《Q.Q.QX.》に、《天上天下輪廻独尊》ワールド・ブレイカー付与してダイレクトアタックを決めに行く【バラギアラループ】が登場し、シールド焼却をコンセプトにしたデッキとしての立場も失う。その流れで、カードパワーの低いオリジナル版の《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》は当然のこと、ツインパクト版までをもカットした型も見られるようになった。

超天篇ではGRクリーチャーを獲得。しかしそれはかつてこのデッキがサイキック・クリーチャーの登場により構築を事実上の【超次元ビートダウン】に歪められたのと同様に、GRクリーチャーに主軸を乗っ取られたことを意味する。

【青黒緑CRYMAX ジャオウガ】の成立以降は、このデッキ自体シールド焼却を2枚で妥協する事が殆どであることを考えると、非常に緩い条件で2枚(以上)シールド焼却込みのワンショットができる上に4ターン目から5ターン目に安定して勝ちにいける【青黒緑CRYMAX ジャオウガ】の劣化デッキとなった。

その他 [編集]

  • 超次元呪文を入れるかはプレイヤーの判断によるところが大きい。サイキック・クリーチャーにはスペックが優秀なものが多く、肝心の《ボルメテウス》の存在を喰いかねないためである。尤も、革命編以降は採用しでもしないととてもゲームにならないので、超次元呪文を忌避する傾向は薄れている。それでも、《ボルメテウス》でフィニッシュするというコンセプトを阻害しかねないパワーカードは忌避される傾向にあり、時代によって忌避されるカードは異なる。
  • このデッキタイプ限定の大会を開催して戦うというのはよくある楽しみ方の1つである。地方によってさまざまなローカルルールがあるが、自然抜きの4色、ハイランダーというのが大まかな共通ルール。

参考 [編集]