インフレ [編集]経済用語「インフレーション(inflation)」の略であり、本来の意味は「物価が持続的に上昇すること」である。 クリーチャーの場合、パワーが大きくなると言っても、《無頼勇騎ゴンタ》の様な「2コストでバニラのパワー4000のクリーチャー」の登場を指してインフレとは言わない。 つまり、バニラ並みのパワーを維持しながら強力な能力を得ており、かなり高いスペックとなっている。こういった現象が多くのカードで見受けられる場合に、インフレが起こっていると言われる。 基本的にクリーチャーは、パワーの高さよりも能力の強さが求められるので、パワーだけが独り歩きしてインフレしていくことはない。たまに、《緑神龍ディルガベジーダ》や《界王類七動目 ジュランネル》のようにコストに反して、逸脱した高いパワーを持つ者もいるが、《緑神龍ディルガベジーダ》の場合は強力な能力を持たない分をQ・ブレイカーや高パワーに回したり、《界王類七動目 ジュランネル》はデメリット能力がついていたりするので、やはり能力のインフレありきのパワーの高さと言える。 派手でオーバーキルなカードを引き合いに出してインフレを説明することがあるが、それは適切ではない。例えば、《グラディアン・レッド・ドラゴン》のパワーが高いのはインフレによるものではない。10コストと非常に重く、T・ブレイカー以外の能力を持たないためにこのパワー設定なのである。カードパワーの判定には、コストパフォーマンスに着目するべきである。 コストが高いカードほどインフレが目立つ傾向にある。クリーチャーの場合、ファッティクラスになるとパワーと能力の両方に凄まじいインフレが起きている。逆にコストが低いカードはインフレは起き辛く、コスト1の《凶戦士ブレイズ・クロー》《予言者クルト》などは、登場以降15年経っても上位互換が出ずに高く評価され続けている。 初期の頃は、何かしらの能力を持ったクリーチャーは、コストに対してパワーが低くなることがあったが、次第にコストに見合ったパワーを維持、もしくはそれを上回るパワーを持った上で、強力な能力を持っていることが多くなった。そういう観点からみると、パワーの方がインフレしているとも言える。パワーを参照する《炎槍と水剣の裁》がプレミアム殿堂から4枚投入可能になったことからも、それが見て取れる。 インフレをしているのはクリーチャーだけでなく、呪文も同じである。呪文はパワーを持たないので、なおさら能力の強さを引き合いに出してインフレを語られる。 他のカードタイプでは、インフレはほとんど見られない。これはクリーチャーや呪文と違って、短期間しか登場しないためである。 環境におけるインフレ [編集]
その他 [編集]通常トレーディングカードゲームはエキスパンションが進むにつれてインフレも進む。カードの性能がどんどん上がっていくのは、新しいパックを購入する意義を与えるためである。既存のカードと同じかそれを下回るスペックのカードを、わざわざ買ってまで使おうとは思わないだろう。ゆえにインフレが起こるのは仕方のないことである。完全上位互換とされるカードの出現はそれを示唆していると言える。 インフレによって古いカードの利用価値が下がる現象は、デュエル・マスターズに限らず多くのトレーディングカードゲームで見られる光景である。古参プレイヤーには少々酷だが、時には新しいカードの進歩に着目するのもいいだろう。しかし過度なインフレの進行は、プレイヤーに絶え間ないカードの買い替えを要求したり、多くのカードの価値を失わせてしまう事になる。こうなると、販売店にもプレイヤーにとっても不利益を招くので、開発側もカードデザインには細心の注意が要求される。 インフレによって、昔はかなり強かったのに今は見る影もないなんていうカードもザラにある。過去に一度デュエマを辞めて、復帰した時にそれに驚愕するプレイヤーもザラにいる。2015年に《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》が解除された事を筆頭にプレミアム殿堂、殿堂入りであったカードが不定期ながら殿堂解除されていったが、これらも大半がインフレによるものである。 ただ、インフレしたからと言って、すべてのカードが使い物にならなくなっていくわけではない。新しく登場したカードとのシナジーが見いだされたり、メタ対象が少なかったカードが新登場したギミックのメタとして注目されたり、デメリットや高コストのカードを踏み倒す手段が登場するなどして、インフレとは関係なしに、評価を上げたカードも多数存在する。 デュエル・マスターズ プレイスでは [編集]プレイスでは、サービス開始から、1年足らずでインフレというべき事態が起こっている。サービス開始当初は、TCG版の黎明期とほぼほぼ同じコスト論に則ていた。 インフレが目立ち始めたのは、サービス開始からわずか4か月後のDMPP-03から。DMPP-03~DMPP-04では、聖拳編を中心としたカードが収録されていっているが、全体的に聖拳編よりも、多色単色問わず、カードパワーの向上が目立っている。 コスト6で自分の火のドラゴンが1体いるだけでスピードアタッカーのT・ブレイカーになれる《神滅竜騎ガルザーク》、4コストで容易にパワー12000以上のT・ブレイカーになれる《無敵悪魔カースペイン》、手札補充と擬似アンタップマナ生成で大量展開の起点となる《ダイヤモンド・ブリザード》、TCG版より能力はほぼそのままで5コストになった《アルティメット・ドラゴン》、7コストでしかも《ヘブンズ・ゲート》で出せるクリーチャーでありながらパワー18000のQ・ブレイカーになれる《剛撃聖霊エリクシア》などなど、極神編に迫るほどのパワーカードが続々と登場した。しかし、コスト論以上のパワーを持つ《無敵悪魔カースペイン》、《アルティメット・ドラゴン》でさえも、準バニラであったため大した活躍はできなかった。 DMPP-07期は、下準備こそ必要なものの、早ければ4ターン、安定して5,6ターン目にはパワー12000越えのT・ブレイカーが着地できるデッキが複数存在しており、それ以上の速度を持てない、またはそのターン域で妨害できないデッキは活躍が難しくなっている。 TCG版で殿堂入り、プレミアム殿堂になったカードはほとんどが調整されて登場しているが、そうでないカードは全体的に同時期のTCG版より高いカードパワーを持っている。 参考 [編集]
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